Poetry and Essay Salon Oct.

私の百彩浪漫・散文集

  窓辺の灯火


人生に限りがあることを

思惟することもなく

春の日溜まりのような家庭で

母と楽しく笑って過ごす事が

あたりまえだったあの頃への

慈しみが愛しさが

あふれそうになるこの頃は

顔や手に増えた皺を宥めながら

窓辺の灯火を子守唄にして

ただ独り時の狭間に安堵する

秋の晴れた穏やかな日に


山がそこにそうしてあることが

なんて落ち着くんだろう

森がそこにそうしてあることが

なんて安らぐんだろう

川がそこにそうしてあることが

なんて気持ちがいいんだろう

いつか自然が激しく動いて

あらゆる命が消える日が来ようとも

きょうこうして

山や森や川が美しく穏やかな日に

生きていられる事を

いいようもなく、しあわせだと思う

 夕景

切子はひとり夕焼けに騙る

ひと恋しい茜色の憂いを携えて

あの賑やかな食卓の人びとの

団欒を刻まれた色被せに

こころの風景を想いながら

ただ静謐としていた

花の記憶

庭に咲く花

季節が巡る度に

子供の頃の

日々の思い出が

アルバムに

色彩を取り戻すように

日差しと語らいながら

時折薫る風とともに

心の引き出しから

ほんのりと甦る

              ※上記の風景写真は生成AIによるイメージ画像です。

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